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事業承継対策に役立つ生命保険4種類の活用法

ファイナンシャルプランナー 尾関一憲

ファイナンシャルプランナー 尾関一憲

外資系大手保険会社にて、個人保険・法人保険のコンサルティング業務に従事。個人および法人のファイナンシャルプランニングを通して、相続対策や事業承継対策の保険設計および提案に携わる。

この記事をお読みの経営者の方は、事業承継の準備に生命保険が利用できるということをお聞きになったことがあると思います。

株式会社の場合、後継者に株式の全部または大部分を引き継がせることになります。

後継者が血縁者でも、従業員等でも、事業の引継ぎに伴う混乱やダメージをできる限り抑えて、承継がスムーズに行われるようにしなければなりません。

事業承継は、どの企業もいつかは必ず直面する問題です。この記事では、法人保険3種類(逓増定期保険、長期平準定期保険、終身保険)と、個人契約の生命保険を利用した対策について、できるだけ分かりやすくご紹介します。十分に理解して、将来を見据えて有効な対策をとっていただければと思います。

はじめに|誰を後継者にするか、どのように承継させるかによって問題と対策が違う

ひとくちに「事業承継」と言っても、後継者が誰なのか(血縁者なのか従業員等か)、どうやって株式を承継させるか(生前に贈与するか、死後に相続させるか)によって、予想される問題とそれに対する対策が違ってきます。

まず、誰に承継させるかということですが、以前は血縁者への承継が多数を占めていました。しかし、従業員が内部昇格によって承継するケースや、外部の人が承継するケースが年々増えてきています。「中小企業白書2017」P.234の統計資料によれば、2015年の時点で、血縁者への承継が16,131 件、親族外への承継が19,104件となっており、従業員を内部昇格させたり、外部から人を招いたりして後継者にするケースが増えていることがうかがわれます。

いずれにしても、結局のところ、後継者の経済的負担を軽くしてあげることが最も重要です。事前に何が問題になりそうなのか知っておくことで、何をすべきかがおのずと明確になります。

〈「後継者=法定相続人」の場合の問題〉

後継者が相続税(相続による株式承継の場合)または贈与税(生前の株式承継の場合)を納税する資金が必要になる
株式以外の相続財産が少ない場合、後継者が他の法定相続人から相続分または遺留分(※1)を主張され、代償交付金(※2)を支払わなければならない可能性がある
後継者の社会的信用が少ないため、運転資金を融資してもらうのが難しくなることがある
※1 遺留分:法定相続人(兄弟姉妹を除く)の最低限の取り分

※2 代償交付金:相続財産の中に分けられない財産がある場合(土地、株式等)に、その財産を相続した者が、他の法定相続人の相続分・遺留分を得させるために支払うお金

〈「後継者≠法定相続人」の場合の問題〉

無償譲渡の場合、後継者が贈与税を納税する資金が必要になる
後継者が法定相続人から遺留分を主張され、賠償義務を負う可能性がある
後継者の社会的信用が少ないため、運転資金を融資してもらうのが難しくなることがある

1. 「後継者=法定相続人」の場合の問題と、保険でできる対策

そこでまず、あなたの後継者が「法定相続人」の場合についてお話しします。

なお、民法によれば「法定相続人」は以下の通りです。

①配偶者+子(死亡の場合は孫、孫が死亡の場合はひ孫)

↓子・孫・ひ孫がいない

②配偶者+両親

↓子・孫・ひ孫も両親もいない

③配偶者+兄弟姉妹(死亡の場合はおい・めい)